視覚器

視覚器

ひとの場合、他の感覚器に比べて視覚はとくに発達しています。ですから感覚器のなかでも人にとって特に大切であるといえるのが、視覚器すなわち眼。視覚とは光を情報として捉える感覚です。発光体から放たれる光や、反射した光を捉えることができるのが視覚という感覚です。光は電磁波としての性質をもち、波長で表すことができる。ひとが情報として捉えることができる光の波長は810nm~380nm。この波長の電磁波は可視光と呼ばれ、これは赤外線と紫外線の間の波長です。眼が受容した情報は第Ⅱ脳神経すなわち視神経を経由して脳へと伝えられます。

視力

ものがみえるのは眼の中に入ってきた外界からの光が、角膜と水晶体で屈折して網膜黄斑の中心窩に正しく結像しなければ、ものの存在や形を明瞭に認識できません。つまり視力は中心窩の機能であり、中心窩に正しく結像することで得られます。

両眼視の場合でも左右の眼はそれぞれの視野から異なった視覚情報を受け入れています。網膜に入った情報は電気信号に変えられ、視神経・視索を介して中継点である外側膝状体に伝えられます。その際、両眼の内側半分の視神経は途中で交差し、情報を反対側の外側膝状体に伝えます。すなわち、網膜に入った両眼の右半分の情報は右側の外側膝状体に、左半分の情報は左側の外側膝状体に伝えられます。その後、情報は視放射を通って大脳皮質の第Ⅰ視覚野に集められます。ある特定の物体をみるという感覚は、その後いくつかの段階を経て、脳の高次のはたらきによって完成されます。

水晶体は遠近の像が中心窩に正しく焦点を結ぶようにその厚みを調節します。すなわち、近くを見る場合は水晶体の厚みが増し、屈折を強めて焦点が合うようになります。しかし、加齢によって水晶体の弾力性が弱まると調節がうまくいかなくなるのが老眼で、正視だったひとは近くがみえにくくなります 。

よい視力

視力とは2つの点を識別できる能力をいい、視力がよいとはいかに遠くの小さな2点を識別できるかということです。通常の視力検査では、2つの点のかわりに種々の大きさの文字やC字状の図形を用いて、5mの距離からこれらの文字や切れ目をどの小ささまで識別できるかを調べます。つまり最小の識別能がその人のいちばんよい視力です。

視細胞の種類

視力には明るいところでの視力と暗いところでの視力がありますが、一般に視力といった場合には明るいところでの視力を指します。視力をつかさどる視細胞には錐体と杆体の2種類があり、明るいところでの視力は杆体がつかさどります。錐体はものの色・形・大きさなどを識別できますが、杆体は明暗を識別できるだけ。黄斑にある視細胞の大部分は錐体で、ことに中心窩には錐体だけが密集し、黄斑を離れるにつれて杆体の支配域になります。このため黄斑とくに中心窩がもっとも視力のよいところとなっています。

病気

網膜の病気の場合、病変が黄斑におよばない限りは、視力に影響が現れることはほとんどありません。このため視力異常に気づいたときには、病気がかなり進行していることが多い。緑内障や糖尿病網膜症などがその例です。

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