呼吸器系

人間が生きていくためのエネルギーは、体内で栄養素が燃焼することによって生み出される。栄養素を燃焼させるには酸素が必要になる。その燃焼の結果として二酸化炭素がつくりだされる。このように酸素を空気中から体内に取り入れ、二酸化炭素を体外に排出することをガス交換という。このガス交換を担当しているのが肺による呼吸である。

呼吸器系

呼吸運動

吸う息は吸気、吐く息は呼気と呼ばれます。両者を交互に行う身体運動が呼吸運動です。呼吸器系の主役である肺は最も休みなく運動している臓器の一つです。空腹・満腹に関わらず、睡眠時にも呼吸運動が止まることはない。しかし肺には肺を動かすための筋は一切存在しない。他の臓器、とくに消化器系の臓器のほとんどが充実した筋層を持ち、自力で動くことができるのに対して、肺は一見躍動的に見えますがじつは自力では全く動くことができない器官です。

肺を動かしているのは肺のすぐ下に広がる横隔膜。また肋間筋群が働いて胸腔の内容量を変化させることも肺を動かす原動力です。平常時で1分間に10数回も収縮・拡張を繰り返す活発な器官であるにも関わらず、肺は外力によって動かされているだけなのです。

横隔膜は単なる膜ではなくドーム状のれっきとした骨格筋です。横隔膜を収縮させてこの筋全体を引き下げると、肺が拡げられ大きく息を吸い込むことに。肺がおさまる胸腔は当然大きく拡張されるが、横隔膜が引き下げられる分、腹腔では内臓が押されて前方にせり出すという変化が生じる。深い呼吸の場合、横隔膜が主導権を握る呼吸運動となるが、通常は胸郭の動きがほとんどの呼吸運動を担当している。またいわゆる腹式呼吸は横隔膜を大きく利用している呼吸です。

換気量と呼吸の調節

ふつう成人では安静時で1分間におよそ250mlの酸素を必要とし、200mlの二酸化炭素をつくりだす。そのために肺は1回500mlほどの空気の出し入れを1分間に15~20回程度行っている。運動をしているときは、さらに大量の酸素を必要とし大量の二酸化炭素をつくりだすから1回の呼吸も大きく、回数も多くなってたくさんの空気の出し入れを行うことになります。

肺が広がったり縮んだりして空気の出し入れをするのは心臓のようなポンプ運動ではない。肺が動くのは横隔膜や肋骨の間の筋肉などの呼吸筋の収縮によって、胸郭が広がったり縮んだりするためです。これは脳にある呼吸中枢の命令が神経繊維によって、呼吸筋に伝えられるから。呼吸は心臓とは違って、短時間なら意思の力で止めることもできる。しかし心臓と同様に、眠っているときでも自動的に動いている。呼吸中枢には血液中の酸素や二酸化炭素の量をたえずモニターしながら、命令を出すしくみがあるからです。

肺胞とガス交換

肺は直径0.3mmほどの小さな肺胞という袋がたくさん集まってできている。およそ3億個ほどのある肺胞の表面積の広さはあわせて70~100㎡にもなる。肺胞はその広い表面積で毛細血管と接している。肺胞の中の空気は毛細血管を流れる血液の赤血球に酸素をたたえて、二酸化炭素を受け取る。酸素も二酸化炭素も水に落としたインクが広がっていくように肺胞の膜や毛細血管の壁をとおして、たがいに入れかわりながら通過していく。こうして赤血球中のヘモグロビンに結びついた酸素は血流に乗ってからだのすみずみまで運ばれ、組織の肺胞内に取り込まれて栄養素を燃焼させるために消費される。

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