頭蓋

人体には外敵から身を護るさまざまな保護機構が備わっています。外力から身を守るとなると骨が主役でその代表あるいは典型といえるのが頭蓋です。頭蓋は多くの骨を縫合と呼ばれる繊維結合で連結させることによって頑丈な外壁をつくり、これによって閉じた空間を作り出しその中に脳を収めることによって脳を保護しています。

頭蓋

頭部の骨格。大切な脳などの中枢神経系や目・鼻・耳などの主要感覚器を外部よりの侵害から保護しています。頭蓋は脳頭蓋と顔面頭蓋に分けられる。脳頭蓋は前頭骨・後頭骨・蝶形骨・篩骨各1個、側頭骨・頭頂骨左右各2個からなりそれらの骨の合わせ目はジグソーパズルの組み合わせ線のような波形の線で結合されている。この縫合線の模様は女性のほうが男性より緻密です。胎児ではこの縫合線の部分がまだ軟骨で弾力性があるため、せまい参道を出てくる際、頭蓋がここで圧縮されて一時的に小さくなる。前頭骨・上顎骨・蝶形骨などのなかで骨が厚くなっている部分は内部が空洞になっていて頭蓋の軽量化に役立っている。側頭骨は比較的うすく、骨折しやすい。

頭のどの部分をたたいてみてもしっかりした骨すなわち頭蓋を意識させる。頭蓋は一つの骨ではなく多くの骨が、たとえば脳の周辺では縫合という繊維性の結合方法で互いに連結しているので、硬い骨でありながら骨どうしがわずかにずれることができるという融通性を持って内部すなわち脳を保護しています。

皮膜構造と脳脊髄液

頭蓋そのものが強力な保護装置であるにも関わらず、頭蓋の内部ではさらに念入りの保護機構ができ上がっています。それが三重の皮膜構造と脳脊髄液の存在です。三重の皮膜とは外から順に硬膜・クモ膜・軟膜と呼ばれている。

脳脊髄液

硬膜のすぐ外の層は頭蓋、軟膜のすぐ内の層は脳または脊髄そのもの。頭蓋内には頭蓋の内面を被うように硬膜がはりめぐらされている。硬膜は結合組織性の硬くて強く、比較的厚い膜。硬膜のすぐ内の層はクモ膜と呼ばれるうすい膜です。クモ膜のすぐ内の層は軟膜ですがクモ膜と軟膜との間は脳脊髄液と呼ばれる液体で満たされている。

軟膜に包まれた脳が脳脊髄液の中に浮くことで、非常に効果的に保護されていることになるのです。脳は非常に軟らかい器官です。豆腐を考えてみると脳脊髄液に浸っている脳を想像しやすい。豆腐はそのままでは脳よりもさらに軟らかくもろいが、水の中に浸されることによって形が崩れるのを免れる。軟膜をかぶった脳はこの方法によって安全を手に入れているのです。

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