筋系

筋は力を出す装置として知られていますが全身に600個以上ある筋がさまざまな力を出して人体に複雑な動きを実現させています。1本の指を曲げるという一見単純な運動さえ、多数の筋の協同的なはたらきによってはじめて可能です。また運動が行われなくても、からだが一定の緊張状態にあるのであって、もしその緊張が解けたらからだはグニャグニャになってしまいます。

筋系

筋のはたらき

個々の筋に注目すればそのはたらきはきわめて単純です。神経から伝えられた刺激を受けると筋は収縮しようとする。ただそれだけです。すべての骨格筋はそれぞれ特定の神経が伝達する刺激によって収縮する。このことは筋の神経支配と呼ばれ、その神経は筋ごとに厳密に決まっており、その筋の支配神経と呼ばれます。中枢神経からの刺激がどの神経を経由して伝えられるかは筋ごとに明確に特定されています。特別な場合を除いて1個の筋に対してその支配神経は一つです。ただしこれは一対一対応と誤解されやすいのですが決してそうではない。例えば上腕二頭筋の支配神経は筋皮神経です。筋皮神経は他に烏口腕筋や上腕筋の支配神経でもある。このようにある神経が枝分かれして複数の筋の支配神経となっていることは珍しくありません。

骨格筋の理解

筋はふつう筋膜と呼ばれる結合組織の膜に包まれていますが、筋膜は筋の両端にある腱に移行しています。筋と腱のつなぎ目に注目するとそこに明確な境界はない。どちらも蛋白質でできた膠原繊維と呼ばれる弾性の少ない繊維が多くあり、その周りにある細胞がどのようにふるまうかの違いです。まばらにいたはずの細胞が筋の場合縦に連結し細長い細胞になる。このとき細胞の中の蛋白質が神経からの刺激を受けると、収縮する性質を持つようになる。これを筋と呼んでいるのです。筋の端はこのような性質を持たず、膠原繊維が密集した強靱な繊維の束となる。これが腱です。

筋膜と筋組織には実は明確な境界はありません。筋組織は、膠原繊維を中心とする蛋白質の繊維が筋細胞の間を走るという構造になっています。筋細胞とはもともと多くの細胞であったものが合体して細長い細胞となり、細胞内の蛋白質の繊維を用いて伸び縮みする能力を獲得した細胞。基本的には筋膜と変わりはない。

骨の周りには直接に筋または腱が付着しているように見えますが、実際には骨膜が介在しています。筋または腱を構成している膠原繊維は骨膜を構成している膠原繊維にそのまま移行。この二つの構造に厳密な境目は存在しない。骨膜を構成する膠原繊維は一部が伸び出して骨質へと入り込んでいます。これはシャーピーの繊維と呼ばれています。シャーピーの繊維はそのまま骨質を構成している膠原繊維へと移行。筋が腱を介して骨に付着しているように名ますが、実際はこのように筋から骨までひと続きなのです。

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