女性ホルモンが男を守る
女性らしくて優しい男に、女性ホルモンが多いわけではありません。でも、女性ホルモンは男性を体の芯から支えています。不思議ですが、女性も男性ホルモンを持っているし、男性だって女性ホルモンを分泌しています。女性ホルモンの代表はエストロゲン、男性ホルモンの代表はテストステロンです。もちろん量からいえば、女性のエストロゲン量は男性よりずっと多い。そして男性のテストステロン量は女性より圧倒的に多いわけです。
男の骨は女性ホルモンのおかげ
もし男性にエストロゲンが不足すると大変困ります。実際、男性の中にはエストロゲンが働かない人や、分泌されない人がいます。このような男性は若い頃から骨密度が低く、骨の強度が弱いため骨粗鬆症にかかりやすくなるそうです。男の骨を支えている一つは、女性ホルモンのエストロゲンだったのです。
エストロゲンは女性のみずみずしい肌や、つややかなコシのふさふさした髪の毛を維持し、若さを保つホルモン。肌のみずみずしさは皮膚のヒアルロン酸によってお肌の張りが保たれますが、ヒアルロン酸はエストロゲンによりつくられます。妊婦さんの皮膚がみずみずしいのは、妊娠によりエストロゲンが増え、ヒアルロン酸が増加するためです。その他の働きも、
- 善玉コレステロール増加
- 血管を柔らかく
- 骨密度を保つ
- 自律神経の安定
- 記憶力の維持
- しわを抑える
と、このように体の内側から血管や骨、肌を若々しく保っています。ですから女性はもちろん、男性にだって必要なものですね。
毎日の食事でエストロゲン作用を頂けたらいいですね。これは大豆に含まれるイソフラボンに、弱いエストロゲン様作用があるそうです。お味噌汁や豆腐、油揚げなど大豆製品にはイソフラボンが含まれています。これらを日頃から多く食べている日本人やアジアの人が、欧米と比較して更年期障害が少ないといわれるのはイソフラボン効果かも。
男性ホルモンも大事
一方、男性ホルモンが男にとって重要なのは当然。男性ホルモンは男女共通に、日常の活動や性行動を積極的するサポートをしています。少なすぎるとうつ状態やED(勃起不全)になりやすくなります。働きとしては、
- 筋肉量の増加
- 内臓脂肪を減少
- 造血作用
- 集中・判断力を高める
男性ホルモンの量が多いと仕事の能力や精神的、性的能力が高く、男性として魅力的。逆に低下は抑うつ・不安症・いらつきと関係があり、多くの中高年の男性は不機嫌になることも多くなります。その低下する一番の原因はストレス。男性らしさや健康の維持にも、本当にストレスは万病の元ですね。
残念ながら、男性ホルモンの作用を補える食べ物は見つかってないとのこと。でもうれしいことに、運動が男性ホルモンを増加させることはわかっています。運動による筋力アップやダイエット効果には、男性ホルモンが増えることも関係あるみたい。なにより運動による爽快な疲労感が、ストレス解消に抜群なのはよくわかりますね。
でも女性の場合は男性ホルモンが多すぎると、ニキビができたりで困ることが多いよう。卵巣の働きが弱められ不妊症リスクも高まります。女性にとって男性ホルモンは、少々あれば良しというぐらい。男性が女性ホルモンを必要とするほどではないようです。